新たな地区史発刊に寄せて
- 国際ロータリー第2790地区
- 2022-23年度 地区史編纂委員会
- ガバナー 小倉純夫(松戸RC)
新たな地区史(デジタル版)発刊に当たり、当年度地区ガバナーとしてご挨拶申し上げます。
私はガバナー就任以前より、当地区の地区史は1980年~2005年まで発刊されて以降、20年以上途絶えていることを知っていました。そこで、ガバナーに就任して直ちに新たな地区史編纂委員会を立ち上げ、櫻木パストガバナー他委員の皆様にご就任いただきました。当初の心積りでは、編集委員の皆様にはじっくりと資料等を集めていただき、2~3年後に発刊できればと思っていました。
ところが櫻木委員長からは、「地区史は冊子という固定観念、慣習から脱するのが第一歩。その第一歩を踏み出す勇気が肝心。地区史は本にして配ると言う固定観念から脱してデジタルにしたい。今後も労力が偏らない方法を考えシステム化したい」との固い信念を伺い、私は即座に賛成した次第です。ロータリーも時代の変化に対応していく時代です。それにしても、こんなに早く2005年~2021年の地区史が完成するとは思ってもいなかったことですが。
ロータリーは、親睦と奉仕を車の両輪として発展してきました。そして、このことはどのような時代になっても変わらないものです。ここ数年来、SRF(ロータリーの未来形成)が話題になっていますが、たとえ第2790地区という組織が無くなったとしても、ロータリーの基本は変わるはずがありません。確かに1905年の世界とは人口動態も変わり、変化のスピードも加速し、テクノロジーでの繋がりや奉仕の機会が生み出されてはいます。しかし3年間に及ぶコロナ禍の中で、改めて会員が一堂に会して開かれる例会の素晴しさ、楽しさを感じることが出来ました。
我々ロータリアンは、1905年のシカゴの街で、青年弁護士ポール・ハリスが何故ロータリーを作ったのかと尋ねられて「寂しかったから」と答えて以来、仲間との親睦(Fellowship)を育み、やがて奉仕(Service)に目覚めてから、今や世界中の志を同じくする仲間との世界的ネットワークで繋がる大組織に発展させてきました。「親睦」と「奉仕」そして「高潔性」「多様性」「リーダーシップ」という中核的価値観は不変のものです。「温故知新」の精神をもって過去を敬い、未来を想像しながら、現代に生きる我々は時代に即したロータリーを考え続けることが必要です。そのためにもこの新たなテクノロジーで編纂された地区史を、これからも充分生かすことが出来ると確信します。
最後に、私たちロータリアンは少しでも明るい未来を「IMAGINE」(想像)しながら、ロータリーの仲間との信頼を繋ぎ、高い倫理観をもってロータリーを楽しみながら奉仕の理念を実践していきましょう。